(C) dantri, 5つ子ちゃん 写真の拡大 |
(C) dantri, トゥーさん 写真の拡大 |
子どもたちが1歳になると、あまりに大変そうな娘を見て、トゥーさんの両親が子どもたちのうち2人を実家に連れて帰って世話してくれることになった。しかし2人がいなくなって数日すると、残りの3人が悲しがって泣く。皆と離れた2人も母や兄弟が恋しくて泣き、とうとうまたホーチミン市に連れて帰ることになったのだった。
2歳近くになると、保育園に行かせるようになった。毎朝、夫のヒエウさんが出勤前に子どもたちを保育園へ送り届ける。2つの園に5人をそれぞれ送るには、バイクで3往復しなければならず、ヒエウさんは近所の人の手を借りる。
多くの人が、5つ子は身体が弱くて、互いに感染するので病気にかかりやすいだろうと言うが、祖母や両親の苦労を知ってか、トゥーさんの子どもたちはめったに病気をしないという。
「季節の変わり目だったこの間は、5人が次々と病気にかかり、私たち夫婦や義母にまで感染して大変でした。私と義母は看病で一晩中眠れませんでした。近所の第1児病院の医師に来てもらい、薬を飲ませてもらうとたちまちに良くなったのですが」とトゥーさんは語った。
大変でも幸せな日々の中、夫婦にとって最も大きな心配事は養育費だ。ヒエンさんの会社からも補助が出るが、5人を育てるのに毎月2000万VND(約11万円)近くかかっている。病気になれば、更に費用がかさむ。
「まだ小さいうちは、頑張れば何とかなります。でも、これから子どもたちが大きくなり学校に行くようになっても、十分なお金がなかったらと心配でたまりません。私たち親の願いは、子どもたちが学校に行って手に職をつけて、自立してくれること、それだけです」。5つ子の子育ての道のりは、まだまだ長い。