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バンさんと一緒に座って客を待ち続けている50歳のディン・ティ・ハインさんは言う。「私たちはやむを得ずこの仕事をしています。国は観光地の土地を収用する計画なので、故郷には作業できる田畑がありません。若い人たちは出稼ぎに行ったり都市部の会社に勤めたりしています。私たちのような年老いた女性は遠くまで行けないし、何をしたらよいかもわからないので、家族を養うためここで船漕ぎの仕事をしています。」
ハインさんはさらに打ち明けた。「私たち船頭にとって一番嬉しいことは、お客さんがたくさんいて『失業』状態ではないときです。お客さんが多いと船の回りも早く、多くの収入を得ることができます。一方、お客さんが少ない月の給料は1か月で300万VND(約1万7000円)にもなりません。給料はすぐには受け取れず、3~4か月後にようやく受け取れます。苦労して船を漕いだ後、労をねぎらってくれるお客さんは飲み物代としてチップをくれますが、チップでは家族の助けになりません。」
52歳のグエン・ティ・ハンさんは、「この仕事でお金を稼ぐのは簡単じゃないんです。船を漕いでいる間は常に集中していなければいけないし、乗せるお客さんの数は普段で4名くらいですが、テトの時は6~7名に増えます。ベトナム人のお客さんは軽いけれど、西洋人のお客さん6~7名を乗せて船を漕ぐのはとても大変で疲れます。涼しい日はまだましですが、暑い日は10倍は大変になります」と弱々しく話した。