(C) thanhnien, アインさん |
日本人美術作家、深堀隆介氏の金魚を描いた立体アクリル樹脂作品に感銘を受けて、会社も辞めて金魚を描く方法を追求し、作品をベトナムから世界に発信しているベトナム人男性がいる。ホーチミン市に住むディン・トゥアン・アインさん(31歳)だ。
大学で美術を専攻していたアインさんは、大学卒業後、ホーチミン市の不動産会社でグラフィックデザイナーとしてフルタイムで働きながら、安定した生活を送っていた。しかし2011年のある日、アインさんの人生は大きな転機を迎えた。
2011年の末、イギリスのロンドンにあるICNギャラリーを訪れたアインさんは、開催されていた深堀氏の個展で同氏の作品と初めて出会い、信じられないほどの衝撃を受けた。深堀氏の作品は、枡などの器へ流し込んだアクリル樹脂に金魚を描いたもの。「こんなにも美しく独創的な作品は見たことがない。これは本当に人間が描いた『絵』なのか?」。アインさんは、その時の驚きを今でも鮮明に覚えているという。
鮮やかな金魚に一目惚れした彼は、「思い立ったらすぐ行動」とばかりに、ベトナムに帰国して間もなく会社を退職し、金魚を描く方法を研究し始めた。