(C)VnExpress,TTXVN、ボー・タイン・トゥン選手 写真の拡大 |
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韓国の仁川(インチョン)で10月18~24日に開催された「2014年アジアパラ競技大会」の水泳競技で、ベトナムのボー・タイン・トゥン選手が金メダル5個を獲得した。50m自由形、100m自由形、200m自由形、50mバタフライ、50m背泳ぎの5種目だ(クラスはいずれもS5)。
トゥン選手は1985年にメコンデルタ地方アンザン省で健康体で生まれたが、4歳の時にポリオにかかった。当時は経済的に困難な状況でワクチンを入手する手段がなかったため、足に障害が残った。家族は漁業を主とする生活をしており、トゥン少年は両手で移動しクーロン川(メコン川)で泳ぐ生活を送っていた。
就学年齢になって初めてトゥン少年は失ったものの大きさを知ることになった。高校卒業後にカントー市の技術短期大学に入学し電子技術を学んだ。「障害者といえども自立して自分の生活費を稼がなくてはいけない。人に頼っていてはいけないと考えました」
転機は2005年に訪れた。全国障害者スポーツ大会の予選会に出場したトゥン選手に、カントー市の水泳コーチが目を留めたことがきっかけだった。2005~2009年に障害者クラスS5の水泳競技では常にトゥン選手が王者だった。