(C)Tien phong、息子の結婚を喜ぶザンさん 写真の拡大 |
ザンさんは命を取りとめた後、キア医師に治療法を伝授して欲しいと頼み込んだ。キア医師は「人命救助は人を幸せにするために行うことであって、利益を得るためではない」と教え諭した後、伝授に同意した。
ザンさんに治療法を尋ねると、薬の作り方は秘伝だから教えられないと断られた。それでも1時間ほど森に入って木の葉を集めて加工した後、数枚の葉とコップに入った白濁した液体を見せながら、「この木の葉で薬を作りますが、毒ヘビの種類によって量や作成法を調整します。飲んだり、蒸気を吸い込んだり、患部に塗ったりして使います」と説明してくれた。
秘薬の伝授を受けてからの25年間余りに、ザンさんはどれだけの人を救ってきたか正確には覚えていないが、数千人に上るだろうという。ザンさんと同様病院に見放された重症患者の命を何人も救ってきた。
当初は無料で治療していたが、旧正月(テト)の度に挨拶に来るなどかえって心の負担になっていることを知り、治療に成功した場合にだけいくばくかの料金を受け取るようになった。ザンさんは今、薬にする葉が家の近くで採れなくなりつつあることを心配している。