(C) Vnexpress, 塩川実さん 写真の拡大 |
ベトナムにしっかりと根を下ろし、農業に従事している男性がいる。1983年生まれの塩川実さんは大学在学中、発展途上にある国々の人口増加や食糧不足、水不足などの問題について討議する機会があった。その時から環境問題に関心を持ち始め、実際に自分の目で確かめようと、アルバイトで金を貯め、中国、台湾、カンボジア、ベトナムの4か国を回った。
ベトナムに到着した彼は、地域ごとの生活レベルや貧富の格差の大きさに愕然とする。ホーチミン市内でさえ、サイゴン川の向こうとこちらでは別世界だった。それと同時に、ベトナムと日本の似通った部分も感じ取った。国土面積が同じぐらいで、長い海岸線を持ち、南北に長い国。日本とよく似た地名もあった。
「統一鉄道に乗った時、私はベトナム語がわからず、他の乗客は日本語を知らなかったけれど、周囲の人たちととても楽しく交流できました。皆いつも笑顔なのが印象的でした」と、彼は流暢なベトナム語で語った。
日本に戻った後、ある農業会社の社長からベトナムでの有機農業プロジェクトのボランティアに誘われた。塩川さんは再びベトナムに渡ると、日本に渡航する実習生の選抜や日本語教育を行うことになった。仕事と大学卒業のために日本とベトナムを行き来する日々だったという。