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この話が広まって、放浪者や家のない人が時々ホテルを訪れるようになった。その数の多さに、夫妻は話し合ってホテルを貧困者が無料で暮らせる社会福祉施設に変えることを決めた。母子を受け入れた時から、まだ1年も経っていなかった。
施設はこの1年間で多くの恵まれない人々を助けている。一時的に滞在する人もいれば、居着く人もいる。夫妻から運営を任されている娘のグエン・ティ・ジエム・レさん(39歳)によると、現在の滞在者は30人余りでその半分はストリートチルドレンだという。身寄りがなく住む家のない高齢者も多い。
120億ドン(約5740万円)で施設の譲渡を持ちかけた人があったが、夫妻は売却しなかった。巨額の提示に驚いたが、もし売ってしまえば寄り所のない人達の場所がなくなってしまうと思って拒否したという。
スックさんによると、この施設を維持するための苦労は多い。滞在者の毎日の食事は、夫妻が自腹を切っている他、一部の慈善家が食品を提供してくれている。ただ、スックさんは「自分達が元気なうちは、滞在者にみじめな思いはさせない」と宣言している。