(C)Dan tri、バクザン刑務所の死刑囚 |
ビン死刑囚は2005年に処刑される予定だったが、重要な証言をしたため執行が猶予された。それから8年以上も死刑執行の日を待ち続ける間に肺病にかかり、ハノイで治療を受けている。ゴック死刑囚(前出の人物とは別人)は、部屋にムカデや蚊が出ると言っては泣きわめき、毎晩服を洗って自分の周りに干してから床に就く。
特定の種類のうま味調味料をご飯にふりかけて食べるのが好きな死刑囚もいる。別の種類の調味料だと偽物だといって騒ぎ立てる。ビエン死刑囚は、衣服を引きちぎって首を吊ろうとしたり、壁に頭を打ちつけたりして何回も自殺を企てた。自殺に成功した死刑囚も複数いるという。死刑囚の多くは、何らかの精神的な疾患を抱えているようだ。
バクザン省警察のホアン・テー・ビン上佐は、敷地内の一角を指して「ここに薬殺刑執行場を建設します。年末か来年に着工する予定です。それまでハノイに執行を依頼することになるでしょう」と教えてくれた。薬殺刑執行場はハノイ市やホーチミン市など全国5か所に既に設置され、さらに15か所建設される計画だ。死刑囚の早期執行という“望み”は、そう遠くない将来にかなえられることになりそうだ。