(C)NLD,ヴィさんのペーパークイリング工房 写真の拡大 |
ホーチミン市4区に住むチャン・トゥイ・ヴィさん(女性:35歳)は、幼い頃にポリオ(脊髄性小児麻痺)を発症し、現在も片足が不自由な暮らしを余儀なくされている。彼女は12歳まで小児ポリオ回復患者センターで過ごした。高校卒業後は工場に勤め、大学入学の資金を貯めるために懸命に働き、やっとのことでホンバン大学の芸術学科に入学することができた。そこで彼女は魅力的なペーパークイリングの世界に出会うことになる。
ペーパークイリングとは、細長い紙をクルクルと巻いて、パーツを組み合わせることで図柄を作り上げていくペーパークラフトの一種だ。フランスやイタリアの教会の修道女が宗教的用具を美しく飾るために作ったのが始まりと言われている。ヴィさんは、大学のクラブ活動で学校設立の記念コンテストに出品するため、クラブの友人たちと共にペーパークラフトに挑戦した。初めてのことだったが、すぐにその魅力にとりつかれ、この世界で自分の力を試したいと思うようになったという。
その想いは冷めることなく、彼女を夢に向かって焚きつけた。4区にある母親の自宅の片隅に作業場を設けて、数人の友人らと共に小さいながらも工房を立ち上げ、そこでペーパークラフトの作品を自主制作して販売するようになった。工房は色とりどりの作品で溢れかえっている。顧客は親戚や友人へのプレゼント用に購入する人が殆どだが、最近では海外で販売するために仕入れていく人もいる。