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彼らの取材を始めて2日目の晩、我々はドンスアン市場で彼らの行動を撮影するために機材を持ち込んだ。午後11時時ごろ、一人の売り子が集合地点の市場近くにある喫茶店に入った。私は水を飲み干すとカメラを取り出し、カメラの調子を確かめる振りをして数回シャッターを切った。ちょうどその時、売り子を迎えに来たのか、元締めと見られる男の車が近づいてきた。そのまま様子を窺い、若い男が売り子を「隠れ家」へ連れて帰る場面をおさえることができた。
3日目、我々はタンバットホー通りにある喫茶店にカメラを据えた。一人の青年がバイクで12歳ぐらいの女の子を迎えに来た場面を撮影していると、我々を発見した少年たちはすぐにどこかへ電話をして、その場から逃げ出した。
我々は少年たちを追いかけたが、少年たちがバスに飛び乗ったため、撒かれてしまった。その後の3日間、我々は同じ場所で彼らを待ったが、売り子の老人や子どもの姿を見かけることはなかった。
調査最終日、我々はタイホー区の警察署を訪ねた。警察官はこう語った「その地区に少人数で行くのは危険だ。我々は常に6人、7人のチームで行くようにしている。彼らを甘く見てはいけない。下手を打てば、自分に火の粉が降りかかってくるんだ」