(C)Tien phong,TNA、1970年代のゴック・ティーさん 写真の拡大 |
ベトナム戦争が終結する1975年以前のサイゴン(現在のホーチミン市)のライブハウスで、外国語の歌を歌って一世を風靡した女性歌手ゴック・ティーさんが最近、肺炎で亡くなった。64歳だった。
外国曲の上演が禁止された一時期、忘れ去られた存在になったが、1991年に解禁となった後は、倒れるまでライブハウスへの出演を続けていた。英国でスーザン・ボイルが有名になった頃から、彼女も注目を集め出して「ベトナムのスーザン・ボイル」と称されるようになっていた。
ゴック・ティーさんは1948年に北中部トゥアティエン・フエ省フエ市で生まれた。南部の古典芸能「カイルオン」の人気役者である父親の血を受け継いだ彼女は、早くから音楽の才能を開花させた。サイゴン中心部にあったライブハウス「デムマウホン」に出演し、若手シャンソン歌手として活躍した。
家族がサイゴンでライブハウスを開いた後は、ファミリーバンド「タンロン」の一員として出演、英語とフランス語の歌を歌える愛らしい歌手として人気を博した。