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今では年間7000億ドン(約28億円)を売り上げる、タスコ(TASCO)株式会社のファム・クアン・ズン社長の前職はバスの運転手だった。紅河デルタ地方ナムディン省の農家に生まれた彼は、幼い頃から立身出世に憧れた。サクセスストーリーは数あれど、彼を超える人はそうはいない。
貧しい家に生まれた彼は苦学の末、1971年に地元の中学校を卒業した。時代はベトナム戦争の最中、卒業後は軍の徴集を受けて入隊し、人民軍大砲部隊に配属された。その聡明さが認められ、通信訓練隊長に任命された同氏だが、手柄を立てるため、何度も前線に出ることを志願した。しかし、その申し出が受け入れられることはないまま、戦争は集結した。
1975年に軍を去った同氏は、水利専門学校の計算科を受験し見事合格する。ここで5年間学んだ後、故郷へ戻り、ハイハウ郡水利交通局に就職した。国家機関で働いている間、貧困に喘ぐ故郷の人々の姿を目の当たりにした若き日の同氏は、この国の現状をどうにかして変えたいと願ったという。
「皆がお腹をすかせていました。故郷には仕事がなく、都会へ出る人が大勢いましたが、バスのチケットを取るのにも、徹夜で並ばないといけなかったのです」