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今年5月にドイツ連立与党の一角を占める自由民主党(FDP)の党首に就任したベトナム生まれのフィリップ・レスラー氏(38歳)が現地紙のインタビューに応じた。現在、経済技術大臣と副首相を兼任しているレスラー氏はインタビューにて、自らの出生、ベトナムへの想い、1人のドイツ人として生きることについて語った。
―レスラー氏はベトナムで生まれ、生後9か月のときドイツ人夫婦に引き取られ養子として育ちました。いつごろからご自分が他の子供たちと違うことを認識し始めましたか。
4歳か5歳になったころ、父が私を鏡の前に立たせて、こう言いました。「見てみろ。私たちは肌も髪も目の色だって違う。しかし、誰が何と言おうと、これから先何が起ころうと、お前は私の息子だ」
―子供の頃、外見の違いでからかわれることがありましたか。
いえ、ありませんでした。幼い頃の私は、もしかしたら自分はベトナムから連れてこられた王子なのではないかなどと妄想しました。それで、父に「僕は本当はベトナムの王子様なんじゃない?」と質問しました。父は、かつてベトナムには王がいたが、今はもういないんだと教えてくれました。