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[特集]

ベトナム生まれの若き独副首相レスラー氏、移民の星

2011/07/31 06:09 JST更新

(C) Dat Viet
(C) Dat Viet
 今年5月にドイツ連立与党の一角を占める自由民主党(FDP)の党首に就任したベトナム生まれのフィリップ・レスラー氏(38歳)が現地紙のインタビューに応じた。現在、経済技術大臣と副首相を兼任しているレスラー氏はインタビューにて、自らの出生、ベトナムへの想い、1人のドイツ人として生きることについて語った。 ―レスラー氏はベトナムで生まれ、生後9か月のときドイツ人夫婦に引き取られ養子として育ちました。いつごろからご自分が他の子供たちと違うことを認識し始めましたか。  4歳か5歳になったころ、父が私を鏡の前に立たせて、こう言いました。「見てみろ。私たちは肌も髪も目の色だって違う。しかし、誰が何と言おうと、これから先何が起ころうと、お前は私の息子だ」 ―子供の頃、外見の違いでからかわれることがありましたか。  いえ、ありませんでした。幼い頃の私は、もしかしたら自分はベトナムから連れてこられた王子なのではないかなどと妄想しました。それで、父に「僕は本当はベトナムの王子様なんじゃない?」と質問しました。父は、かつてベトナムには王がいたが、今はもういないんだと教えてくれました。

―レスラー氏がFDPの党首さらに副首相に選出されたとき、ベトナム政府から何か反応がありましたか。  各国政府からとても多くの祝福の言葉を頂きました。もちろんベトナムからも。とても光栄に思いました。 ―レスラー氏の成功に対して、ベトナム国民から賞賛の声があがり、レスラー氏に注目するようになりました。そのことはご存知ですか。  知っています。最近ベトナムの旅行者を乗せた観光バスが党の建物の前に停まっているのをよく目にするようになりました。きっと私と逆のケース、ドイツ生まれの養子がベトナム政府で働いていたら、ドイツ人も同じように関心を持つでしょう。 ―レスラー氏はドイツに住む移民の人々にとって、理想の成功モデルといったところでしょうか。  多くの人がそうのように捉えていると思います。党首に就任したばかりの頃、あるレストランで黒人男性に声をかけられました。彼は私に「あなたは我々外国人移民に成功の道と可能性を示してくれた」と言ってくれました。その言葉を聞いてとても嬉しく思いました。なぜなら、その言葉は嘘偽りの無い心から発せられたものですから。 

[Phan Anh Datviet 7:21 PM, 20/07/2011 U]
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