(C) tuoitre 写真の拡大. |
ベトナムで利用が拡大しているQRコード決済は、銀行名や口座番号などを入力せずとも、QRコードを読み込むだけで決済が進められる便利なもので、その利便性から小規模な商店から大規模な店舗まで、導入する店が増えている。
しかしながら、店に設置してあるQRコードの上から別のQRコードを貼り付けて、金を騙し取る行為も相次いでいる。
ハノイ市で雑貨店を営むOさんは7月末、5万VND(約300円)の支払い代金を盗まれた。
Oさんは店頭にQRコードを掲げていたのだが、支払われたはずの5万VNDがいつまでも自分の口座に反映されない。客に振込先を確認してもらうと、自分のものとは異なる口座に振り込まれていることが分かった。店頭に掲げていたQRコードをチェックすると、自分のコードの上から、別のコードが貼り付けられていた。
別の雑貨店の経営者も同様のトラブルに巻き込まれた。500万VND(約3万0300円)分の買い物客が、QRコードのスキャン後に口座番号に誤りがないか確認してくれたことで事なきを得たが、いったいいつQRコードが貼られてしまったかはわからないという。
このようなトラブルを防ぐために専門家は、買い物客側はスキャン後に、店側に対して振込先情報に誤りがないかを確認し、店側では店の外部にQRコードを貼ることはせず、監視カメラを設置するなどして不審人物がQRコードを上から貼るといった行為がないか確認し、また常時QRコード決済が正しく作動しているかチェックするべきだとしている。
2023年1~6月期のキャッシュレス決済は、決済件数で前年同期比+55%増となっており、そのうちQRコード決済が決済件数で+152%増、決済額で+301%増となっている。