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ホーチミン市警察傘下の密輸経済汚職犯罪取締警察部(PC03)は16日、元共産党執行委員で元同市党委副書記のタット・タイン・カン容疑者(男・49歳)を逮捕した。
今回の逮捕を受けて、同市人民評議会(市議会)は同日、カン容疑者の議員資格を一時停止とした。同容疑者は刑事法第219条に触れたとされ、公的資産の使用・管理に関する国家規定に違反し損失・浪費をもたらした容疑が持たれている。
同事件では、ホーチミン市人民委員会(市役所)傘下のタントゥアン工業開発(IPC)が同容疑者の承認のもと、保有していた南サイゴン開発(Sadeco)株を違法に売却し、市に少なくとも1530億VND(約6億9000万円)の損失をもたらしたとされる。
この事件とは別に、同容疑はIPCがクオッククオン・ザライ[QCG](Quoc Cuong Gia Lai)にニャーベー郡フオックキエン村にある住宅開発用地32haを違法に売却し、市に多額の被害をもたらした事件にも関与したと見られている。
また容疑者は、ホーチミン市交通運輸局長在職中に建設・譲渡(BT)方式による同市2区トゥーティエム新都市区の幹線道路4本(R1・R2・R3・R4)の整備案件を実施するにあたり、事業主であるダイクアンミン不動産投資(Dai Quang Minh、自動車地場最大手チュオンハイ自動車=THACOの子会社)と結託し工事費用を水増しした上で、道路整備の見返りとして同新都市区内の79haもの広大な一等地を割り当てた。全長が合わせて11.9kmにおよぶ道路4本の投資総額は12兆2000億VND(約550億円)に達していた。
なお、同容疑者はこれに先立つ2018年12月に、共産党執行委員・ホーチミン市党委副書記・同市党委常務を更迭されており、その後、2019年3月に同市の歴史を研究する「ホーチミン市歴史施設指導委員会」の副常務部長に任命されていた。