海外メディアがフィリピン軍の報告として報じた情報によると、フィリピンのイスラム過激派組織「アブ・サヤフ」に拉致されていたベトナム人船員2人が殺害され、遺体は5日に同国南部ミンダナオ島の西に位置するサンボアンガ半島沖のバシラン島で地元住民により発見されたという。
殺害されたのは2016年11月に同組織に拿捕された貨物船「ロイヤル16号(Royal 16)」に乗っていたホアン・チュン・トンさんとホアン・バン・ハイさんの2人。2人は4日夜に殺害されたと見られている。
これを受けてグエン・スアン・フック首相は、遺族に対する哀悼の声明を発表すると共に、憤慨の意を示し、平和維持および経済成長のために世界各国が協力し合ってテロリズムを打破し、テロリストを厳罰に処することを呼びかけた。
外務省のレ・ティ・トゥー・ハン報道官は、同組織の非人道的な行為を強く非難し、駐フィリピン・ベトナム大使館が同国当局と協力して裏付け捜査を進めていることを明らかにした。ベトナム当局はフィリピン当局の支援を受けて2人の遺体を母国に輸送するための所定の手続きを行っている。
東南アジアの海域では、海賊による身代金目的の拿捕や拉致事件が多発し、ベトナム人乗組員数が人質になる事件が多く発生している。
※最終更新:2017年8月22日17:30 JST