(C) Do Vinh, Thanh Nien, ナムチャーミー郡の竹橋 |
南中部沿岸地方クアンナム省ゴックリン山の裾野にあるナムチャーミー郡は、吊り橋の数が国内で最も少なく、既存の橋の多くが竹とワイヤーでできている。洪水が頻発する時期は橋の架け替えが必要で、作業中に事故に遭う人も少なくない。
日常生活における往来が困難な全国28省の各地域に吊り橋を建設する交通運輸省のプロジェクトで、同省には総額630億VND(約2億5000万円)を投じて鉄骨製の吊り橋14本が建設されることになっている。このうち4本がナムチャーミー郡に建設される計画だったが、プロジェクト開始から3年経った現在も住民が竹とワイヤーで橋を作っている。
4本のうち、1000世帯が暮らすタックロイ村には投資総額40億VND(約1900万円)の鉄骨製の吊り橋が建設されるはずだったが、投資主が行方不明になり住民は今も川を泳いで渡っている。その中で、洪水の際に教員や生徒7人が濁流にのまれ死亡し、川岸には小さな慰霊碑が建てられている。
同村では生徒たちの通学用にボートを数隻購入したが、1年ほど間にボートが転覆する事故が2件起きた。いずれの事故も死亡者は出なかったものの、ボートで通学することを恐れ多くの生徒が学校を辞めてしまったという。
前述の28省での吊り橋建設は、投資総額12兆6000億VND(約588億8000万円)の生活用橋梁建設プロジェクトの一環。同プロジェクトでは、全国で7800本の橋梁が建設される計画。このうち第1フェーズでは総額8兆3380億VND(約390億円)を投じて同28省の186本を含む4145本が建設された。