(C) phapluat, 事件現場となった人民委員会 |
紅河デルタ地方タイビン省タイビン市で11日午後2時ごろ、土地収用で立ち退きを迫られた地元住民の男が散弾銃で武装し、同市人民委員会の事務所を襲撃する事件が発生した。男は会議中の職員めがけて発砲、うち1人が死亡、1人が重傷、3人が軽傷を負った。12日付ファップルアット紙(電子版)等が報じた。
警察によると、男は同市キーバー地区在住のダン・ゴック・ベト(42歳)。同容疑者は犯行後、その場から逃走し、約20キロ離れた父方の実家で家族と夕食をとった後、近所の寺で心臓を撃ち抜いて自殺した。
近隣の住民によると、ベト容疑者の父親は戦時中に従軍していた際、枯葉剤の被害者となり、その後遺症で身体に麻痺症状が出て、現在も不自由な生活を余儀なくされている。
また、ベト容疑者の兄は精神病を患っており、1年前に離婚した妻との間に2人の子供がいるが、現在は離れ離れに暮らしている。父親と兄と一緒に住んでいる住宅が土地収用に遭い、立ち退きを迫られたものの、給付された補償金が少なかったため、新しい住まいを購入することができず、自暴自棄になり、今回の凶行に及んだと見られている。