ベトナムの病院内感染患者は毎年60万人以上に上り、この数字は増加傾向にあるという。最近発表された保健省公共衛生保健研究所の調査で、ホーチミン市内にある13の病院の手術室とICU、合わせて33室の空気内微生物を検査した結果、基準をクリアしていたのはわずか7室(21.2%)しかなかったことが分かった。25日付サイゴンザイフォン紙(電子版)が報じた。
同市チョーライ病院感染対策科のレ・ティ・アイン・トゥー科長によると、院内感染は外科と集中治療室(ICU)で主に発生するという。同病院の調べによると、院内感染の発症が最も多いのは肺炎で45%を占め、次いで手術跡21%、消化器13%、皮膚11%と続いている。
チョーライ病院ではこうした状況に対応するため、昨年9月に4台の空気清浄装置を手術室3室とICU1室に設置した。設置後の検査結果は基準を満たすものだった。ホーチミン市保健局はこの結果を評価する一方、まだ院内感染対策に取り組んでいない病院が多いとの見方を示した。保健省診療管理局は各病院に対し、院内感染への関心を高め報告書を提出するよう求めているが、状況はあまり改善されていない。