先月発生したハノイ市のザップバット駅の火事では5人が死亡、5人が負傷し、さらなる防火努力が必要との警鐘を鳴らした。
同市消防署は2日、市内の企業施設で防火安全対策を査察。ハノイで最も大きな貨物置場の一つであり、石油貯蔵施設近くに位置する農産物合弁社(アグレクシム)の倉庫の査察も行われた。この査察によって、1万6000平米の貨物置場に消火用送水ポンプがわずか2つしかなく、うち1つは故障していることが判明した。
またハノイ市内の小規模な倉庫の査察では、防火安全対策の甘さが露呈。電線や警告表示の上に商品が置かれていたり、防火訓練の検定証を取得した従業員に至っては、消防署への緊急電話番号を聞かれても答えることができない始末だった。
同市消防署のトー・スアン・ティエウ署長は、「10階建て未満の建物の消火活動なら可能だが、それ以上は厳しい。しかし現実として、ハノイ市内にはそれより高い建物が多く建てられている」と危ぐを表明、また消火技術に欠点があることも認めている。
ホーチミン市消防防火局のチャン・チエウ・ズオン局長もまた、消火能力をさらに増強させる必要性を訴えた。ズオン局長によると、同市の火事のほとんどが過負荷やショートなど電気関連の問題で引き起こされているという。
ズオン局長は、「ビンタン区内の工業団地にあるインク工場で起きた最近の火事では、2268平米の施設が焼失、推定で200億ドン(約1億1000万円)の損害を被った」とし、「もし施設に消火用設備とそれを操作できる訓練された従業員がいれば防ぐことができただろう」と語った。さらに「ホーチミン市には、給水塔がないために火事が起こる危険性の高い居住地域が何百もある」と付言した。
ホーチミン市では過去5年間に1495件の火事が発生、40人が死亡し212人が負傷。損失額は4000億ドン(約22億1300万円)を上回っている。