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保健省傘下の第1中央精神病院(ハノイ市)に入院中の患者が、病院内で麻薬密売ルートを運営したうえ、病室をディスコ風に改造して麻薬パーティーを開き、2021年3月に摘発された事件で、ハノイ市人民裁判所は31日、主犯格の男らに死刑判決を言い渡した。
元締めであるグエン・スアン・クイ被告(男・39歳)は麻薬の不法所持・使用・手配・密売などの罪に問われて死刑判決が下された。
クイ被告の側近役として、麻薬ルート運営をサポートしていたグエン・バン・ゴック被告(男)も、麻薬の不法使用・手配・密売の罪に問われ、死刑判決となった。同じ罪に問われていた他の手下4人には、禁固7年6か月~終身刑がそれぞれ言い渡された。
また、共犯関係にあった病院の医師ら4人は、公務執行にあたり役職・権限を乱用した罪、麻薬の不法使用の許諾または手配した罪に問われ、禁固3~7年の判決となった。
クイ被告は資産強奪や治安びん乱などで複数の前科があり、精神病を患ったことで2018年11月から同病院に入院していた。入院中の2020年1月に病院から脱走し、ハイバーチュン区警察に麻薬所持容疑で逮捕されたが、精神病患者だったため、病院に身柄を移送されたこともある。
クイ被告は入院先の複数のスタッフと結託し、麻薬を使用しながら「ディスコ」を楽しめるよう病室に照明や音響装置を設置。病室に麻薬を保管し、ここに仲間や病院スタッフを招いて夜な夜な麻薬パーティーを開いていた。
麻薬は自分用だけでなく、他人にも販売していた。麻薬を買い求める者が患者の家族のふりをすれば簡単に病院に出入りできたため、受け渡しは簡単だったという。同被告は、入院期間中に合わせて15kgの麻薬を所持・販売していたことが確認されている。
元医師らはクイ被告たちから賄賂を受け取っていたため、見て見ぬふりをしていた。裁判所は、関与した者が罪を逃れることのないよう、同病院の当時のトップらに対しても徹底的な捜査を行うよう警察に求めた。