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北部紅河デルタ地方ハイズオン省チーリン市にある新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性者治療施設で30日、入院患者の母子が施錠された病室で血を流して死んでいるのが発見された。母親が無理心中を図ったものと見られている。
死亡したのは、新型コロナ陽性となって施設に入院していたV・T・N・Bさん(女性・43歳)と2歳の息子。発見時、2人は血の海の中で横たわっており、近くには果物ナイフが落ちていた。
施設の責任者が監視カメラで確認したところ、30日午後5時ごろ、廊下で食事を配っているとき、女性の姿はなく、午後5時20分ごろに、女性が子供を抱えて廊下に出てくる姿が映されていた。隣の病室は最近、患者が退院したばかりで消毒作業を行っていた。女性は誰もいなくなると、子供を連れてその病室に入り、そのまま出てくることはなかった。
午後18時過ぎ、女性の家族が果物の差し入れをするため、施設を訪れて電話を鳴らしたが、応答がなかったので、係員の案内で一緒に病室の中を探した。病室に女性の姿がなかったため、隣の部屋を調べたところ、中から施錠されており、ドアを壊して中に入ると、血だらけで死んでいる母子を発見した。
女性の息子は2月28日に40度以上の熱を出したため、市保健センターの陽性者治療施設に入院。医師によると、男児は発熱こそあったものの、症状は軽く、日常生活も可能で、病状は回復に向かっていたという。
女性と同じ病室に入院していた患者らは、女性の様子に特におかしいところはなかったと話しているが、家の経済状況と重い病気を持つ8歳の長男のことを気にかけている様子だったとしている。