2大陸を大型バイクで制覇、66歳の4万5000kmの旅

2020/03/22 05:35 JST配信

 スイスでは、平静でロマンチックな自然を目にして、なぜそこでジュネーブ協定が締結されたのか、またなぜ人生を捨てたかった亡命者たちがそこで生まれ変わりたいと感じたのかを理解した。

(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress

 そして、ジョージアに着いた時、フンさんの感情は崩壊した。ジョージアは、フンさんが1973年から1976年まで学んだ地だ。かつての思い出の針葉樹は、もはら古い木になってしまっていた。

 「学校の門の前にバイクを停めて、上着を脱ぎ、芝生に向かって駆け出して寝転びました。森に入り、かつてよく食べていた桑の実の枝を抱きしめました」。フンさんは声を失い、目を輝かせた。「若い頃、友人と外へ出て夕日や雪解けを眺め、道行く女子学生を眺めていました。生き生きとしたイメージと寮の独特な匂いが一気に押し寄せ、息が苦しくなりました」。

 ジョージアを離れ、ヨーロッパを進み、ベトナムへ帰国する前にロシアと中国に戻った。帰り道の1万km余りは氷点下で、本当に「挑戦」だった。

 12月19日夜、バイクは4万5000kmの旅を終えて自宅の前に停まった。この時、フンさんは初めて自分が成功したのだと確信した。自宅に入ると、半年離れ離れだったホンダ67に近付き、触れた。「帰ってきたよ。お前の弟子(共に旅した新しいバイク)は任務を完了した」。

 帰宅時の手土産は、泥だらけのバイク、切れたチェーン、そしていくつかの巻貝と思い出の古い木の下で拾った松の実だ。今、それはガラスケースに入れられ、毎日フンさんが通るたびに目につくところに置かれている。

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 12:22 10/01/2020, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 東南部地方バリア・ブンタウ省ブンタウ市在住のタック・グエン・フオック・ゾアインさん(50歳)は、長年...
 「こいつはホーチミン市まで一緒に帰る奴。隣は自分をインタビューしに来た新聞記者だ」。ホンダのスー...

新着ニュース一覧

 カンボジア公式訪問を開始したチャン・タイン・マン国会議長は21日、カンボジアの首都プノンペンで、同...
 ベトナム共産党政治局・書記局は20日に開かれた会合で、政治局員・国会共産党連合会書記・国会議長在任...
 ワインの輸入販売などを手掛けるエノテカ株式会社(東京都港区)は11月25日、ホーチミン市1区のホーチミ...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 午後3時、ハノイ市ハイバーチュン区ファムディンホー街区在住のグエン・ゴック・クアンさん(男性・61歳...
 住商アグロインターナショナル株式会社(住商アグロ、東京都千代田区)は、ベトナムの農業資材販売会社で...
 ベトナム最大の企業管理職向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営するアンファベ(Anph...
 南部メコンデルタ地方カマウ省人民委員会は19日、ダムゾイ郡でダムゾイ・カイヌオック・チャーラー(Dam...
 ホーチミン市人民委員会は21日、12月の商業運転開始を予定している都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~...
 21日から23日までの日程でマレーシアを公式訪問中のトー・ラム書記長は21日、最高儀礼に則り盛大に執り...
 ドミニカ共和国を公式訪問中のファム・ミン・チン首相は現地時間20日、ルイス・ロドルフォ・アビナデル...
 米不動産サービス大手クッシュマン&ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield=C&W)がこのほど発表した...
 南中部高原地方総合病院は19日、自宅で調理したヒキガエルの肉と卵を食べた児童2人が中毒を起こしたと...
 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)傘下の政策開発研究所が先般発表した...
 医療機関向けパッケージソフトウェアの製造・販売を手掛ける株式会社エクセル・クリエイツ(大阪府大阪...
 ハノイ市ナムトゥーリエム区の国立展示建設センター(1 Do Duc Duc, quan Nam Tu Liem, TP. Ha Noi)で、...
トップページに戻る