鉱山保安分野で日本の第一人者である井清武弘氏は、自ら志願してベトナムへ赴いた。ベトナムの技師たちが常に危険と隣り合わせになっている現在の状況を改善するのが井清氏の望みだ。ベトナム炭鉱ガス安全管理センターの職員からは「年収1円の先生」と呼ばれている。
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井清氏は、JICAが鉱山保安分野で派遣した最初のシニアボランティアだ。このプロジェクトは2001年に始まり、これまでに140人を超えるシニアボランティアが派遣されている。JICAによると、井清氏は日本で豊富な経験を持つ専門家として、40以上の国を訪れ、20を越える国々で数々の研究や問題解決に携わってきたという。
井清氏は、ベトナムに関わるようになったきっかけについて、「2001年に日本政府から推薦されて、ベトナム炭鉱ガス安全管理センターのチーフアドバイザーに就任し、研究室の立ち上げなどに参加するなど、2006年まで5年間働きました」と語った。在任期間が終わってからも、ベトナムで知り合った友人や同業者たちからの相談を受け続けたという。