こんな奇妙な仕事をするのは自分だけと思っていたクオンさんだが、同じ村の高齢男性ブー・バン・バオさんもこれに加わるようになった。「始めたころは、『頭がおかしくなった』と人に笑われたけれど、だんだん理解されるようなって、今では協力者もいる」とクオンさん。
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クアンビン墓地に、不憫な子供たちのかなり立派な墓がある。ホーチミン市在住の篤志家が、彼女のことを知って墓の建立費用を寄付してくれたのだという。クオンさんは、「このお墓には私たちがこの約9年間に引き取った3000体以上の子供の遺体が埋葬されている」と話し、線香を手向けた。
クオンさんの家族は裕福とは言えず、年齢のせいもあって体が弱ってきている。彼女が願っているのは、もうこの仕事をしなくてもよくなる日がくることだ。ただし、「健康でいられる限り、この仕事を続けるつもり。不幸過ぎる子供たちを捨てられたままにしておけない」とクオンさんの決意は固い。