南中部高原地方ラムドン省に住む少数民族チュールー(Chu Ru)族には、結婚を希望する女性が家族と共に真夜中に男性の家を訪れて「婿取り」を申し込む風習がある。旧正月(テト)から旧暦3月末までが、婿取りのシーズンだ。
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チュールー族は母系社会で、結婚年齢に達した女性の側からお目当ての男性の家に結婚を申し込む。伝統的なやり方に従うなら、女性側が多額の持参品を男性側に渡し、婚礼費用も負担しなければならない。
しかし裕福な家庭ばかりではないことから、深夜の婿取りも行われている。女性は家族10人と共に男性の家を訪れ、男性側の家族に結婚を申し込む。受け入れられればその夜のうちに婚姻式が行われ、2人は一緒に大きな布を被って両家のしきたりなどの教えに耳を傾ける。翌日未明に2人は花嫁の家に向かい、正式に夫婦となる。
結婚の申し込みが断られる可能性はなくもないが、事前に根回しが行われているのが普通で、深夜の婿取りの風習は、実質的には貧困家庭の女性が意中の男性と結婚するための口実になっているようだ。