- 防衛装備・技術協力などの防衛協力強化
- 日本企業の諸課題の解決へ協力求める
- 人的交流の活性化による交流深化で一致
ベトナムを訪問している石破茂内閣総理大臣とルオン・クオン国家主席は現地時間28日午前11時20分から約45分間にわたり、国家主席府で会談を行った。その後、現地時間同日午後2時20分から約40分間にわたり、国会議事堂でチャン・タイン・マン国会議長と会談を行った。
![]() (C) 外務省 |
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クオン国家主席との会談では、クオン国家主席は冒頭、2024年11月にペルーで会談して以来の再会に喜びを表し、石破首相の訪越を歓迎した。また、日本はベトナムにとって最も重要なパートナーの一つであり、両国の包括的戦略的パートナーシップに基づく協力を強化していきたいと述べた。
石破首相はこれに対し、日本とベトナムは法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序や多角的自由貿易体制を維持・強化することにコミットしており、両国の包括的戦略的パートナーシップに基づき、両国関係をさらに発展させていきたいと述べた。
クオン国家主席は、防衛交流や人材育成をはじめとした両国間の安全保障分野における協力が進んでいることを嬉しく思うとし、引き続き日本との協力を推進していきたいと述べた。
石破首相はこれに対し、現下の国際情勢において、両国の安全保障協力はますます重要になっており、外務・防衛次官級協議(次官級2+2)の創設や防衛装備・技術協力をはじめとした防衛協力を強化していきたいと述べた。
さらに石破首相は、日本はベトナムのかけがえのないパートナーとして、半導体、グリーントランスフォーメーション(GX)といった新たな分野での協力を通じ、ベトナムの産業高度化を後押ししていきたいとした。また、石破首相は、日本企業が抱える諸課題の解決に向けて協力を求めた。
クオン国家主席はこれに対し、これまでの日本の社会・経済発展に対する貢献に感謝の意を表し、経済分野においてより一層日本との協力を推進していきたいと述べた。
双方は、米国の関税措置やそれに対抗する中国の報復措置が世界経済や多角的貿易体制に与える影響を踏まえつつ、経済分野について幅広く議論した。また、双方は地域情勢についても意見を交わし、東シナ海・南シナ海情勢、核・ミサイル問題及び拉致問題を含む北朝鮮情勢、ミャンマー情勢、ロシアによるウクライナ侵略といった国際社会の重要課題への対応についても意見交換を行った。
マン国会議長との会談では、マン国会議長は冒頭、石破首相の訪越を心から歓迎するとし、両国の包括的戦略的パートナーシップの下の協力を発展させていきたいと述べた。また、2024年12月の日本訪問は議会間交流を発展させ、経済関係を強化する大きな節目となる機会だったと述べた。
石破首相はこれに対し、マン国会議長の訪日は両国関係強化の大きな弾みになったとし、今後もあらゆる分野で両国の協力を深化させていきたいと述べた。
石破首相は、日本が強みを有する防災分野における協力を進めていきたいとした。また、日本企業が抱える諸課題の解決に向けて協力を求めた。
マン国会議長はこれに対し、これまでの日本のベトナムに対する支援に感謝の意を表し、日本の投資・経済協力を更に進めていきたいとし、農業や人材育成などの協力も強化したいと述べた。
双方は、2025年大阪・関西万博の機会も活用しつつ、日越関係の基礎である人的交流を更に活性化し、政党間、議会間の交流を深めていくことで一致した。
双方は地域情勢についても意見を交わし、東シナ海・南シナ海情勢、核・ミサイル問題及び拉致問題を含む北朝鮮情勢、ミャンマー情勢、ロシアによるウクライナ侵略といった国際社会の重要課題への対応についても連携していくことを確認した。
なお、石破首相は現地時間28日午後4時40分から約40分間にわたり、ベトナム国家大学ハノイ校(ハノイ国家大学)の7番目の傘下大学である日越大学を訪問し、日越大学に所属する学生と懇談を行った。