- 関税措置など経済分野について幅広く議論
- ベトナムとの緊密な意思疎通を重視
- 安全保障と経済分野で日本との協力を推進
ベトナムを訪問している石破茂内閣総理大臣とトー・ラム書記長は現地時間27日午後6時から約70分間にわたり、ベトナム共産党本部で会談を行った。会談後、石破首相はラム書記長主催の夕食会に出席し、両者は非常に和やかな雰囲気の中で関係を深めた。
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会談の冒頭、ラム書記長は石破首相の訪越を歓迎し、両国間の包括的戦略的パートナーシップに基づき日越関係があらゆる分野で発展していることは喜ばしいとし、安全保障、経済、人的交流など各分野での協力に触れつつ、 両国関係を更に発展させたいと述べた。さらにラム書記長は、2025年大阪・関西万博が成功裏に開幕したことに祝意を表した。
石破首相はこれに対し、日本がベトナムとの関係をアップグレードすることは、両国ひいては地域の安定と繁栄に資するものであり、両国で法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序や多角的自由貿易体制を維持・強化するために協力していきたいと述べた。
両首脳は、米国の関税措置やそれに対抗する中国の報復措置が世界経済や多角的貿易体制に与える影響を踏まえつつ、経済分野について幅広く議論した。
石破首相は、同日にタンロン工業団地に進出している日本企業と直接意見交換したことを踏まえ、現下の状況によって影響を受ける日本企業の声に耳を傾け、ベトナムとも緊密に意思疎通していくことを重視していると述べた。
さらに石破首相は、両国の安全保障協力はますます重要になっており、防衛協力を強化していきたいとした。また、日本はベトナムのかけがえのないパートナーとして、半導体、グリーントランスフォーメーション(GX)といった新たな分野での協力を通じ、ベトナムの産業高度化を後押ししていきたいと述べた。また、ラム書記長が進める様々な改革に期待を示した。
これに対し、ラム書記長は、これまでの日本の社会・経済発展に対する貢献に感謝の意を表し、安全保障、経済分野においてより一層日本との協力を推進していきたいと述べ、ベトナムの「新しい時代」に向けて日本がともに歩んでいくことに期待を表明した。
双方は、地域・国際情勢についても意見を交わし、国際社会の重要課題への対応についても連携していくことで一致した。