2015年1月1日から、「ベトナムにおける外国人の出入国、通過及び居住に関する法律」(仮称)が施行される。同法の施行に伴い、従来は不要だったベトナム再入国時の査証(ビザ)が必要になるケースや、入国前に取得したビザと異なる目的のビザを国内で取得することができなくなるケースなどが発生すると見られている。
同法には、◇ビザの目的変更を認めない、◇入国時のパスポート残存期間を現行の「3か月以上」から「6か月以上」とする、◇前回のベトナム出国から30日以上経過した後でなければ、ビザ免除による入国(15日間)を認めないといった内容が含まれている。
つまり、現在15日間のビザ免除が適用されている日本など7か国の国民も、30日以内に2回以上ベトナムへ入国する場合にはビザが必要になる。また、往復または第三国へ出国するための交通手段のチケットを所持していることも条件となる。
例えば1週間の旅程でハノイ市へ入国した後カンボジアへ出国し、ホーチミン市へ再入国する場合には、シングルビザを取得しなければならない。また、30日以内に3回以上入国する場合には、数次(マルチ)ビザを取得しなければならない。いずれも1回目の入国ではビザ免除が適用されるが、2回目以降はビザが必要になるという。
このほか、企業の駐在員などがベトナムで就労する際に必要な一時滞在許可証の取得にも影響があると予想されている。例えば、従来は3か月有効のビザで入国した後、労働許可証及び一時滞在許可証を取得してそのままベトナムに滞在することが認められていたが、同法の施行により、労働許可証及び一時滞在許可証はベトナムでの就労開始前(入国前)に取得しなければならなくなる。ベトナム出入国管理局が一時滞在許可証の発給を認めると同時に、駐日ベトナム大使館または在大阪ベトナム総領事館に対して入国のためのビザ発給許可通知を行い、それに基づいてビザを取得し、ベトナムへ入国することになる。