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2022FIFAワールドカップ・アジア2次予選グループGの最終戦、首位ベトナム代表(FIFAランキング92位)と2位UAE代表(同73位)の試合がUAE・ドバイのザビール・スタジアムで6月15日に行われ、ベトナムが2-3で敗れた。ベトナムは終盤怒涛の追い上げを見せたが、あと一歩及ばず、同予選初黒星を喫した。
この結果、グループGはベトナムが5勝1敗2分の勝ち点17、一方、UAEは6勝2敗0分の勝ち点18となり、最終戦でベトナムは首位から2位に転落。しかし、各組2位争いで成績上位の5チームに入ることが出来たので、史上初の最終予選進出が決まった。
ホームのUAEは勝たなければ、最終予選進出が難しいという試合だったので、立ち上がりから積極的にゴールを狙いに来た。一方のベトナムは引き分け以上で最終予選進出が確定。負けた場合は、他グループの結果次第だが、かなり高い確率で最終予選に駒を進められるという状況の中での試合だった。
ベトナムはパク・ハンソ監督が累積警告でベンチ入り停止となり、指揮官不在。この日はコーチのイ・ヨンジン氏が監督代行として指揮を執った。ベトナムは序盤から圧力をかけてくるUAEに押し込まれる苦しい展開。それでも、守備陣が集中を切らさず何とかしのいでいたが、飲水タイムの直後の31分、一瞬のスキを突かれて失点。勢いづくUAEは39分にもPKで1点を追加。前半はベトナムの2点ビハインドで折り返す。
ベトナムは後半開始からスーパーサブのFWグエン・コン・フオンを投入して選手交代で打開を図る。しかし、後半立ち上がりの50分、UAEにダメ押しの3点目を奪われて、勝敗はほぼ決したかに見えた。さらに、この時点で他会場の結果によりベトナムの最終予選進出が決定。あとは両チーム無理をせずに試合を終えるだけという状況だったが、ベトナムはゴールへの意欲を失わず、ここから反撃に転じる。
途中出場のFWグエン・コン・フオンとMFチャン・ミン・ブオンを起点に攻めるベトナムは84分、ミン・ブオンのスルーパスに反応したFWグエン・ティエン・リンが落ち着いてゴールに流し込み1点を返す。さらにアディショナルタイムに相手自陣のパス回しを奪ってベトナムが速攻。最後はミン・ブオンが決めて1点差まで詰め寄る。
結局、試合はこのままホイッスルが鳴り、ベトナムは2-3で敗戦。終盤怒涛の反撃を見せるも、同点まではあと一歩及ばなかった。ベトナムは最終戦の結果でグループG2位に転落したが、各組2位争いで成績上位4位となって、史上初の最終予選進出。東南アジアで最終予選に駒を進めたのはベトナムのみ。
敵地でのUAE戦は相手の迫力ある攻撃に押されるシーンが目立ち、最終予選に向けて課題が多い試合となった。ワールドカップ最終予選はベトナムにとって未知の世界。躍進著しい若きベトナム代表が、この先、アジアの列強を相手にどこまで戦えるのか見ものだ。
グループGの最終成績
各組2位チームの成績
※グループHの北朝鮮が出場を辞退したため、各組2位の戦績を比較する際は、グループA~Gの2位チームについてはグループ5位のチームとの対戦戦績を除外。
なお、この試合も新世代テレビソリューション株式会社(Next Media)とベトナムサッカー連盟(VFF)がネット中継しており、ベトナム時間の深夜にもかかわらず、両チャンネルを合わせると約300万人が視聴していた。
史上初となる最終予選進出を決めたベトナム代表に各方面から祝福の声が上がっており、VFFとフンティングループは試合後、それぞれ10億VND(約480万円)と20億VND(約960万円)の報奨金を贈ると発表。これに先立ち行われた同予選のインドネシア戦、マレーシア戦の勝利で贈られた報奨金と合わせた額は計80億VND(約3840万円)。ベトナム代表は6月17日、バンブー航空の専用チャーター便で帰国し、その後、ホーチミン市7区のホテルで新型コロナ対策の集中隔離措置を受けることになっている。
※記事提供:ベトナムフットボールダイジェスト+