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2022FIFAワールドカップ・アジア2次予選グループGのベトナム代表(FIFAランキング92位)とインドネシア代表(同173位)の試合がUAE・ドバイのアール・マクトゥーム・スタジアムで6月7日に行われ、ベトナムが4-0で大勝した。
これでベトナムは4勝2分0敗の勝ち点14となり、同組首位をキープして史上初となる最終予選進出に向け大きく前進した。なお、この試合は新世代テレビソリューション株式会社(Next Media)がネット中継したが、ベトナム時間の深夜にもかかわらず150万人以上が視聴して母国代表チームの雄姿を見守った。
この試合はベトナム代表パク・ハンソ監督とインドネシア代表シン・テヨン監督の両韓国人指揮官が直接対決するということで、試合前から特に韓国メディアの間で注目を集めていた。パク監督率いるベトナムは、東南アジアの主要タイトルを総なめにしているASEAN王者であり、2017年のパク監督就任以降、東南アジアのチームにはいまだ負けなし。
一方のシン監督は2019年にインドネシア代表監督に就任。同予選5連敗と不振にあえいでいたチームで積極的に若手を起用し、平均年齢22.2歳という非常にフレッシュなチームを編成して将来を見据えたチーム作りを進めている。前節では強豪タイと引き分けて同予選初の勝ち点を獲得するなど調子を上げている。
試合は大方の予想通り、立ち上がりからベトナムが圧倒的にボールを支配。引いて守るインドネシアに対し、パスを回しながら打開を図るベトナムだったが、インドネシアの危険を顧みない激しいタックルに手を焼いた。序盤は両チームがヒートアップして一触即発の場面も。前半はベトナムのボール支配率が72%となり、終始主導権を握ったが、ゴール前に人数をかけるインドネシアの守備を崩しきれずに0-0で終了。
後半も流れは変わらずベトナムのペース。51分には、味方のロングパスで裏に抜け出したFWグエン・ティエン・リンが待望のゴールを決めて、ついにベトナムが先制。これで均衡が崩れ、ここからベトナムが一気に畳みかける。62分にMFグエン・クアン・ハイのミドルシュートで追加点。67分には、途中出場のFWグエン・コン・フオンがコーナーキックの流れから、こぼれ球を押し込んで3点目。なおも攻めるベトナムは75分にMFブー・バン・タインがダメ押しの4点を決めてインドネシアに引導を渡した。
注目の韓国人指揮官対決は、終わってみればパク・ベトナムの4-0の圧勝に終わった。この勝利でベトナムは勝ち点を14に伸ばして同組首位をがっちりキープ。
なお、同日同時刻に行われたUAE代表とタイ代表の一戦はホームのUAEが3-1で快勝し、勝ち点を12に伸ばして、勝ち点2差で首位ベトナムを追っている。西野朗監督率いるタイ代表は現在3位だが、残り1試合で2位UAEとの勝ち点差が3となっており、2次予選突破は絶望的。一方のベトナムとUAEはまだ2試合を残している。
ベトナムはこの後、6月11日にマレーシア代表、6月15日にUAE代表と対戦。ベトナムが次節でマレーシアに勝利して、UAEが次節でインドネシアに敗れた場合、早ければ次節の結果でベトナムの最終予選進出が決まる。しかし、ベトナムとUAEどちらも勝利した場合は、最終戦で同組首位をかけての直接対決となる。ただし、ベトナムが残り2試合で連敗すれば敗退の可能性もあるため、まだまだ油断できない状況だ。
※記事提供:ベトナムフットボールダイジェスト+