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北部紅河デルタ地方バクニン省トゥアンタイン郡ソンホー村に暮らすブー・ミン・ハンさんは、愛車の「ミニカー」に乗って、果物から日用品、土産物、ミルクティー、そしてペットまで、村のどこへでも配達する。
ハンさんは17歳だが、身長は89cm、体重は8.6kgで、前から見ても後ろから見ても、2歳児のように見える。
家族によると、ハンさんの出生時の体重は3kgで、まったく正常に生まれた。しかし、そのまま一向に成長せず、ハンさんが3歳のときに病院で診てもらったところ、身長が伸びない病気だということがわかった。
ハンさんの母方の祖父であるグエン・ドゥック・フインさん(65歳)は当時のことをこう語る。「その日、医師は我々家族に、ハンがベトナムで2人しか症例のない、希少な病気を患っていると告げました」。
身体があまりにも小さいため、ハンさんは学校に通ったことがない。独学で文字を学び、それから韻や計算を教わった。今ではすらすらと読み書きができる。この2年間は、韓国語と英語も勉強している。
ハンさんの父方の祖母であるブイ・ティ・リンさん(64歳)は、孫娘についてこう話す。「ハンは勤勉で、自立心があって仕事もとても早いんです」。
村には紙製冥器の伝統工芸があり、ハンさんは8歳のころから家業の冥器作りの紙貼りを手伝っていた。しかし、6年ほど前に両親が海外へ出稼ぎに行ってからは、自分で生計を立てるようになった。ハンさんは毎月100万VND(約6000円)余りの給付金をもらっているが、自分のために使えるお金を増やすために、仕事もしている。
ハンさんはある日、遊びに行った先で見かけた電動のミニカーに一目ぼれした。帰宅してインターネットで検索すると、価格は400万VND(約2万4000円)もした。どうしてもミニカーが欲しかったハンさんは、2022年のテト(旧正月)の期間中ずっと、冥器の紙貼りにいそしんだ。
そして稼いだ200万VND(約1万2000円)とそれまでの貯金を合わせて、ついに夢のピンク色のミニカーを手に入れた。