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「当時、私たちは30歳を過ぎていました。それまでの私は、自分が結婚するなんて、ましてや同じような境遇の人と一緒に暮らすなんて、考えたこともありませんでした。でもダンさんと出会って、考えが変わりました。彼は勇敢で強く、落ち着いていてとても温かい人なんです」と、クックさんは初めて夫に出会った日のことを幸せそうに思い出す。
クックさんに出会ってから、ダンさんの心はざわめき、密かに彼女を想い、恋しがった。物理的な距離が遠く離れていて移動も困難だったが、それでもダンさんは三輪車に乗り、杖をついて愛する人に会いに行こうと決心した。
「彼女のことがとても好きだったんです。それからというもの、私は家族に『商品の仕入れで、今までよりも都市部に行く機会が多くなるから』と伝え、クックに会いに行きました。彼女の白い肌とチャーミングな笑顔に、初めて会った時に一目ぼれしたんです」と、ダンさん。
しかし、クックさんによると、クックさんが同じような境遇の男性と付き合っていると知った家族や親戚は、交際に猛反対したのだという。クックさんはその時、家族や親戚から「障がいのある2人が結婚して、土でも食べて生きていくの?脚に障がいがあって、未来なんてないでしょう」と言われたのだそうだ。
ダンさんは、クックさんを初めて家に招いた日のことを今でもはっきりと覚えている。「家族は私たちを心配そうな目で見ていました。両親は私たちに、障がいのある2人が一緒になっても苦労するだけなのだから別れなさい、と言ったんです」とダンさんは語る。