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バンさんが初めてスタチューパフォーマンスの仕事をしたのは商業施設のオープニングイベントで、少女に扮してパフォーマンスに臨んだ。そのとき、小さな子供が駆け寄ってきて、バンさんの手をつねった。まだ経験の浅かったバンさんは驚いて手を振り払ってしまい、子供は母親のもとに走りながら「この像、動くよ」と言ったのだった。
「それを聞いてつい笑い出しそうになりましたが、何とか我慢しました。アリに噛まれたり、蚊に刺されたり、虫が目に入ったりすることもよくありますが、それでもじっと立ったままです。動いてしまえば、観衆の驚きも興奮も失ってしまいますから。だから頑張って耐えなければならないんです」とバンさん。
バンさんの1回のパフォーマンスは2~4時間で、観客を引き付けるため、30~45分ごとに姿勢を変える。最初のパフォーマンスの報酬は40万VND(約2230円)だったが、今は1回100万~200万VND(約5590~1万1200円)ほど。遠方に赴く場合は500万VND(約2万7900円)になることもある。
バンさんにとって、多くの観客に好奇の目で見られるこの仕事は、収入や喜びだけでなく、忍耐力を与えてくれるのだという。「以前は誰かにからかわれるとすぐに腹を立てていたんですが、この仕事をしていると忍耐力がついて、何が起こっても落ち着いていられるようになりました」とバンさんは話す。
チン・ハイ・ダンさん(男性・32歳)は、ホーチミン市でスタチューパフォーマンスのモデルのマネジメントを手掛けている。ダンさんによると、身体のトレーニングからアイデアの形成、造形、彫像への変身まで、あらゆる要求が厳しいため、あえてこの仕事をしようとする人はそうそういないのだという。