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リエムさんの団体は第5村落以外にも、クアンナム省、北中部地方クアンチ省、南中部高原地方コントゥム省、同ザライ省、ビンディン省クイニョン市の学校や村など16か所にソーラーパネルを設置し、明かりを灯している。
辺境へのソーラーパネル設置のプロジェクトと移動式映画館のプロジェクトは国内外のスポンサーからの信頼を集め、リエムさんたちのグループは新たに口唇口蓋裂の子供たちへの手術支援、困難な環境にある家族やその子供たちの通学支援、孤児支援、またダナン市での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大時の「0VND市場」の展開、貧困家庭への食料デリバリー支援など、様々な活動を展開している。
リエムさん自身とグループのメンバーは寄付金を受け取っておらず、手術費用やプロジェクトで発生する費用の請求書は、直接スポンサーに送っているという。
リエムさんは本業の仕事と両立しながら毎週平均して2~3件のボランティアのプロジェクトを展開している。「幸い、家族や職場の上司の理解を得ることができ、今までボランティア活動を続けることができています。それでも自分自身で公私を明確に分けて、仕事のパフォーマンスに影響が出ないようにしています」とリエムさんは教えてくれた。
12年間のボランティア活動を通じて経済的に困難な地域へ日常的に出向いているリエムさんは、2020年に起きた中部での歴史的な洪水で溺れそうになったり、2019年にナムチャーミー郡で発生した地滑りに巻き込まれそうになったりと、危険な状況に陥ったことも少なくない。
「危険過ぎない?そろそろ活動を辞めたら?」リエムさんの妻は夫が危険な目に遭ったことを聞くたび、不安を口にする。家族の心配を理解しながらも、まだ助けを必要としている人たちがたくさんいることを知っているリエムさんは、変わらず活動を続けている。
「私にとって、遠くに行くことや苦労することは問題ではありません。ただ、困難な状況にいる人たち全員を助けることができないことが怖いんです。支援を求める声がなくなり、辺境にも電気と水が行き渡り、全ての子供たちが知識にアクセスすることができるようになったら、この活動を休もうと思っています」とリエムさんは語る。
リエムさんは、今年9月に北部山岳地帯にも新たに移動式映画館を設置する予定だ。そして、恵まれない地域にもっと多くのソーラーパネルを設置し、先進的な技術を活用できる教室を増やし、困難な地域に住む子供たち、住民たちがより良い生活を送れるよう活動を続けていきたいと考えている。