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ヘアスタイルが完成すると、トゥエンさんは満足して微笑んだ。トゥエンさんはビーさんにお礼を言うと、再びタクシーに乗り込んでビンズオン省に戻っていった。店を去る前にトゥエンさんは、またホーチミン市に来る機会があれば店に寄るつもりだと話した。トゥエンさんによると、ビーさんの腕は「最高」だという。
こうして、多くの客が代わる代わるこの美容室に出入りしている。しかし、ビーさんが父親からこの仕事を学び始めたのは2021年5月で、まだ1年しか経っていないということを誰もが知っているわけではない。ビーさんはわずか3か月であらゆるスキルを身につけ、美容室のメインスタイリストになったのだ。
「当時、ホーチミン市は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で社会的隔離措置が適用され始めたころで、娘に何もせず不健康に過ごして欲しくなかったので、仕事を教えることにしたんです。幸い、娘もこの仕事を気に入って夢中になってくれたので、あっという間に吸収していきました。3か月間毎日、1日4時間、私から仕事を学んでいました」とトゥンさんは語る。
社会的隔離措置が終了すると、ビーさんにいよいよ実地で仕事をする機会がやってきた。トゥンさんは、3か月間で学んだことすべてを活かして完璧に仕事をこなしている娘の姿を目にして大いに喜んだ。ビーさんは、カット、パーマ、縮毛矯正、カラー、スタイリングまで、あらゆる技術をマスターし、男性客にも女性客にも対応できた。
トゥンさんはビーさんの技術について「10点満点中10点」と評価するが、ビーさんにまだ足りないものは「経験」だと話す。将来、さらに上の美容師を目指すには、もっと仕事をし、もっと経験を積まなければならない。
トゥンさん自身は2000年に南部メコンデルタ地方ビンロン省からホーチミン市に来て、理髪を学び始めた。そしてわずか1年後に美容師として働き始めた。キャリアのピークは2007年から2011年にかけて。当時は名の知れたカリスマ美容師で、フーニュアン区ファンディンフン通りの彼の店には近くからも遠くからも多くの客が訪れた。