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共に身長が90cm台のチエンさんとランさんは、結婚せずに一緒に暮らしていたが、子供の誕生を機に、正式に結婚手続きを行った。
南中部高原地方ダクラク省クロンパック郡クロンブック村(xa Krong Buk, huyen Krong Pak)にある小さな家の中で、ホアン・ランさんと生後10か月の息子が青いハンモックに静かに横になっている。母親であるランさんの身長は息子と30cmも変わらず、事情を知らない人には子供が2人いるように見えるだろう。
夫のチン・バン・チエンさんが市場から戻り、玄関のドアの前でそっとサンダルを脱ぐと、息子はいつ寝付いたかと妻にたずねた。ランさんは「今さっき眠ったところよ。起きないように静かにしてね」と答え、2人はそれ以上何も言わず、息子をじっと見つめ、静かに座っていた。2人が授かった子供は、夢にも思わなかった天からの贈り物だった。
チエンさんはクロンブック村で生まれ、今年33歳になる。チエンさんには3人のきょうだいがいて皆発達に問題はないが、チエンさんは4歳の時点で話すことはできても、1か所に横たわっていることしかできなかった。
7歳になり、チエンさんはようやく立つ練習、歩く練習を始めた。チエンさんの世話に苦労していた両親は、チエンさんが11歳になり学校に行きたいと懇願したとき、とても驚いた。「身体は小さくても手足は丈夫で、知能には何の問題もない。自虐的になることはないのだと、学校に連れて行く前にチエンに言いました」と、父親のチン・バン・フウさんは教えてくれた。
チエンさんの身体の成長は身長90cm、体重20kgで止まったものの、チエンさんは父親の教えを胸に、他人からの視線を気にすることもなく友達を作った。
そして、チエンさんは高校に進学した。15kmの通学路を電動三輪車で通うのは難しく、フウさんがバイクでチエンさんの電動三輪車を引いて学校まで送り、学校の近くに住む場所も借りた。週末になると再びバイクで電動三輪車を引いてクロンブック村まで帰った。高校を卒業すると、チエンさんは短期大学で情報技術(IT)を学ぶため、1人でホーチミン市に移り住んだ。
今から4年前、チエンさんは身体障がい者向けの手工芸品製造会社に入社した。そこで自分より少しだけ身長が高いランさんと出会い、惹かれるようになった。