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一方、タンさんが感じた初対面での妻の印象はというと、もっと特別だ。「処罰を受ければ自身の生活にも影響が生じますが、彼女の行動はとても適切で、優しさと礼儀正しさも持ち合わせていました。調書に署名するとすぐに父親に電話をかけ、迎えに来て欲しいと頼んでいました」とタンさん。
その後、タンさんの方から積極的にラン・アインさんにSMSを送り、互いに日常的に連絡を取り合うようになった。そして、2人の間にはいつからか愛情が芽生えていた。「いつから2人がお互いに恋愛感情を抱くようになったのか、正確にはわかりません。どちらも告白はせず、ただ話をしているうちに相性の良さを感じ、自然に恋愛感情が生まれたんです」とラン・アインさんは語る。
運転免許証を取得すると、ラン・アインさんは仕事のため西北部地方ラオカイ省に引っ越した。一方、タンさんも専門的な勉強のためハノイ市に行かなければならなかった。遠距離にもかかわらず、ラン・アインさんに会うため、タンさんは毎週長距離バスに乗ってハノイ市からラオカイ省まで出かけた。
「結婚した後に彼の同僚たちから聞かされたのですが、彼はラオカイ省まで私を訪ねるため、毎月給料を前払いしてもらっていたんだそうです。私に会いに来るときは、交通費から宿泊費、飲食費まで全て彼が自分で払っていました。後からそのことを知り、とても気の毒に思いました」。
ラン・アインさんが仕事を始めるためラオカイ省に移った日、タンさんは自ら引っ越しを手伝った。細かなことまで気遣ってくれるタンさんに、ラン・アインさんは心を動かされ、守られているような、安心した気持ちになった。