(C) zingnews 写真の拡大 |
(C) zingnews 写真の拡大 |
演舞団が縁で結婚した夫婦
レ・イエン・クエンさん(26歳)は、ドゥオンさんの最初の女子生徒の1人であり、今でもトゥーアインドゥオン演舞団に関わっている。彼女こそ、ベトナムギネスの「高さ7mの柱の上でムアランをするベトナム唯一の女子演舞団員」という記録を保持している張本人だ。
イエン・クエンさんにとって、トゥーアインドゥオン演舞団は今でも第2の家族だ。演舞団は、14~15歳のときに志を同じくする仲間と過ごした場所というだけでなく、10年間も自分を導いてくれている先生がいる場所であり、さらに人生のパートナーに出会えた場所でもある。
2018年、イエン・クエンさんはフイン・バン・ドゥックさん(27歳)と結婚した。ドゥックさんもトゥーアインドゥオン演舞団の団員で、最初はペアでコンテストに向けた練習をする仲だった。2人ともコンテストでたくさんの賞を受賞し、高さ7mの柱の上でムアランをするベトナム唯一の男女ペアという記録も樹立した。
ドゥックさんは彼女の第一印象について、強くて血気盛んな子だった、と語る。高さ7mの柱の上で舞う技を習得するまでの3年間の練習中、イエン・クエンさんは何度も転んで頭や額に傷を作り、手足も傷だらけだった。それでも絶対にあきらめなかった。
今年の初め、夫婦の間にかわいい娘が生まれた。結婚して子供が生まれてからは、夫婦ともに公演やコンテストには参加せず、代わりにトゥーアインドゥオン演舞団の団員のトレーニングを担当するコーチとして活動している。
演舞団のほかに、クエンさん夫婦は地元の医療センターでも仕事をしている。2人は毎日、医療センターでの仕事が終わると娘を連れてトゥーアインドゥオン演舞団の練習場に行き、団員たちの練習を見ている。
娘はまだ生後8か月だが、人見知りも全くしない。片方の手からもう片方の手へ、彼女を抱っこする人が次々と変わっても、泣いたり両親を求めたりすることもない。さらに、太鼓やゴングの音を聴くたび、また団員たちが柱の上で舞う練習をしているのを見るたび、赤ちゃんは声をあげて笑い、手足を動かして踊りだす。
そんな赤ちゃんの様子を見て、団員の間にも笑いが起きる。団員の1人は、「赤ちゃんがムアランをしているんですよ。お母さんのお腹の中にいるときから太鼓の音を聴いて舞いを学んでいたからでしょう」と話した。