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日本の獅子舞に似た「ムアラン(mua lan)」と呼ばれるベトナムの獅子舞(ライオンダンス)を専門とするトゥーアインドゥオン(Tu Anh Duong)演舞団には、13~18歳の女子団員が所属している。ムアランの演舞団といえばほとんどが男性という中で、トゥーアインドゥオン演舞団は全国大会でも高成績を残し、いくつものギネス記録を保持している。
南部メコンデルタ地方チャビン省カンロン町(thi tran Cang Long)の片隅にある店舗で、音楽、麒麟とドラゴンが舞う音、太鼓の音が騒々しく鳴り響く。活気に満ちた空間は観衆を魅了し、数十人もの道行く人々が見入っている。
トゥーアインドゥオン演舞団が、拠点である南部メコンデルタ地方カントー市から遠路はるばる出張し、とある店舗のオープニングセレモニーで演舞を披露しているのだ。
35度を越える猛暑の中、15人の団員が太鼓や舞いに集中している。「あの女の子、太鼓を叩いている。舞いもうまいな」と、1人の観客が楽しげに叫んだ。他の観客たちも、演舞団に多くの女子がいることに気づくと、さらに熱烈な拍手を送った。
声援を受けて女子団員たちはますます勢いを増し、演舞を美しく完璧にこなした。カラフルな衣装もまた、パフォーマンスを引き立てていた。
午前5時、地方出張公演に向かうトラック
午前4時ごろの外もまだ暗い時間に、女子団員のズオン・ティ・チュック・アンさん(13歳)は家族に送ってもらい、カントー市オーモン区チャウバンリエム街区(phuong Chau Van Liem, quan O Mon)にあるトゥーアインドゥオン演舞団の練習場に向かった。この日、チュック・アンさんはチャビン省に出張し、演舞を行うことになっていた。
チュック・アンさんが到着したとき、すでに団員のほとんどが集まっていた。男子団員が道具をトラックに運び込んでいる間、女子団員は衣装から音響・照明設備まで、運搬しなければならない道具の最終チェックをした。
「毎回地方に出張するときは、テト(旧正月)みたいにバタバタです。疲れますが、楽しいですよ」とチュック・アンさんは話しながら、接着剤を使って麒麟の被り物の細部を補修していた。チュック・アンさんは最年少団員の1人で、入団してまだ半年にもかかわらず、ベテランのような仕事ぶりだ。
現在、トゥーアインドゥオン演舞団には13歳から20歳までの約50人の団員がいる。ほとんどは中高生のため、学業を最優先としている。毎回の公演やイベントに出演するメンバーの人数は、客の要望だけでなく、団員の学校のスケジュールにも左右される。