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タイン・ガーの息子の現在
ファム・ズイ・ハー・リン(Pham Duy Ha Linh)―タイン・ガー夫妻にとって最愛の、そして唯一の息子である彼は、現在45歳になり、母親と同じ芸能の道を歩んでいる。
わずか一夜のうちに両親を失い、孤児となったあの日、父親が撃たれ、母親が苦しんでいるのを目の前で見ていたあの恐ろしい出来事を思い出し、ハー・リンは「父が死に、母も父に続いて死にました」と語る。
父親に続いて母親が撃たれた直後、ハー・リンは何とか自宅側の車のドアから逃げ出そうとしたものの逃げ出せず、何事が起きたのかと家の中から飛び出してきた人たちに抱えられて自宅に入った。
その後どれだけ月日が経っても、孤独と哀しみを忘れたことはなかった。トイレに掛かった鏡に映る自分を見ては泣き、全てを乗り越えるため、自分で自分を慰めてきた。両親が死んだ後、ハー・リンは母方の祖母と暮らしていたが、両親を恋しく想う気持ちが冷めることは決してなかった。
タイン・ガーは、死後の1984年にベトナム政府から「優秀アーティスト(NSUT)」の称号を贈られた。2015年にはホーチミン市9区フオックロンB街区ザーホア住宅地にある1つの通りが「タインガー通り」と命名されている。