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南中部沿岸地方ダナン市に通称「夫なしマンション」と呼ばれる、困難な生活を送る寡婦とその子供たちが入居するホアフー5Aマンションがある。ダナン市リエンチエウ区ホアミン街区キンズオンブオン通りに建つマンションは、都市の喧騒と一線を画して静寂に包まれている。
しかし、夕方5時になるとマンションは一気に賑やかになる。子供たちが集まってサッカーやバドミントンなどをして遊ぶそばで、母親たちが小さな飲み物屋に座っておしゃべりに興じる。笑顔の女性たちの瞳の奥に悲しみが宿っているように見えるのは、これまであまりに多くの苦境をくぐり抜けてきたせいだろうか。
このマンションは同市の不幸な女性と子供を支援する会が投資主となり建設されたもので、4棟に各50m2の住戸が合計36戸ある。住戸は家具家電付きだが家賃は月々わずか10万VND(約493円)で、管理組織がマンションの修繕積立金として管理している。
不運な境遇に置かれ市内を転々としていた女性たち144人が、自治体の計らいで2008年から市内の近隣地域に移り住んできた。そして女性たちは2011年末に完工したこのマンションへ優先的に入居したのだ。
ここに住む女性たちの境遇は夫を亡くした人に離婚した人、女手一つで子供を育てる人と様々だ。しかし、どの女性も数十年にわたり男性不在の中で、あらゆる仕事に就いて苦労しながら生計を立てている。
ズオン・ティ・フエさん(40歳)は妊娠中に夫が蒸発、その後生まれた女の子アンさん(13歳)はてんかんと喘息の持病があり、終日家で寝ており話したり笑ったりすることもない。フエさんは持病のある娘のためにやむを得ず仕事を辞めた。