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「息子は他の友達に劣るところは沢山ありますが、勉強がよくできて毎年表彰されるんですよ!将来は建築士になって、貧しい人のためにマンションを沢山建設するんだって言っています」と、息子の賞状を誇らしそうに眺めて微笑むタインさん。
マンションの女性たちは家族のために働くだけでなく、女性会の社会活動や地域の警備隊などにも積極的に参加している。現在では地域の警備隊に参加するマンション住民の女性は7人にも上り、家事や育児、仕事以外の時間に地域の治安維持活動に参加している。活動は有志で行われるため報酬はなく、ガソリン代や飲料水代なども自費だ。
グエン・ティ・トゥイ・バンさん(48歳)は10年前に夫を亡くし、現在実母(75歳)と息子(22歳)と暮らしている。毎日レストランで働きながら、休日になると地域の警備活動に参加する。
「この地域で私たちは助け合って暮らしています。困ったことがあれば分かち合い、助け合うんです。警備隊に参加しているのも、この地域の治安を維持しみんなが安心して眠れるようにしたいという思いからなんです」とバンさん。
同じく警備隊に参加しているドアン・クイ・タオさん(43歳)は2014年にマンションへ移り住んだ。借金取りから逃れるようにして一文無しで入居したタオさんは、その日の食事にも困るほどだった。子供を養うために建設現場で働きテレビや冷蔵庫を買い、娘を学校へ通わせた。そして今年、その娘が今年大学に合格した。
「この先も苦労が多いのは承知ですが、娘の明るい将来のために頑張るだけです」。愛娘のためならどんな苦労でも乗り越えようとするタオさんの決意は確かだ。