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ティーさんがパソコンの使い方を学び始めたのは2007年のことだ。当時1冊の本を書いていたが、手が震えてペンと紙で書き続けることが難しくなったためだった。そこで孫たちを説得してノートパソコンを購入し、使い方を教わった。そして3年後の2010年、ティーさんは「Nguoc dong(「上流」の意)」というタイトルで、600ページにわたる自伝的な小説を出版した。
ティーさんは、幼少期について述懐してくれた。「男性は、私が女性だからという理由で『近寄るな』と言いました。椅子に座らせてももらえませんでした。女性は汚れたものとされていたんです。女性に生まれたというだけで蔑まれるんです」。
当時は「女性」イコール「ツール」だった。そのためティーさんは父親が教師だったにもかかわらず学校に行くことができなかった。しかし、学ぶことに対する情熱から、ティーさんは女性としての「運命」を受け入れなかった。
「父や兄が本を読んでいるのを見て、自分が文字を知らないことは受け入れがたいと感じました。自分の運命を受け入れられませんでした。男性ができることは何だって私にもできるはずなんです」。
ティーさんは、父親の本をこっそり読みながら、自分で学び始めた。「夜に毛布をかぶって本を読んでいました。そして木の枝を燃やして地面に文字を書くんです。何でも書くことができましたよ」とティーさん。