(C) VIETJO, フエの建造物群 写真の拡大 |
(C) VIETJO, ホイアンの古い町並み 写真の拡大 |
ベトナムには、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録された文化遺産と自然遺産が合わせて8件ある。
具体的には、◇文化遺産5件:フエの建造物群(北中部地方トゥアティエン・フエ省)、ホイアンの古い町並み(南中部沿岸地方クアンナム省)、ミーソン聖域(同)、タンロン城王宮跡(タンロン遺跡、ハノイ市)、胡朝の城塞(北中部地方タインホア省)、◇自然遺産2件:ハロン湾(東北部地方クアンニン省)、フォンニャ・ケバン国立公園(北中部地方クアンビン省)、チャンアン生態観光区(紅河デルタ地方ニンビン省)だ。
1993年にベトナムで初めての世界遺産となったのはフエの建造物群だが、初の登録から24年が経過した現在も遺産の管理や価値の保存・活用に関する適切なモデルが構築されておらず、管理などは遺産の所在する各地域に一任されているのが現状だ。
遺産は「全体」の財産か「個別」の財産か?
ユネスコの評価により世界遺産に登録された各遺産の価値は5億USD(約570億円)に上ると推定される。この価値は、適切に開発され、なおかつ1つの「ブランド」として確立された期間が長ければ長いほど高くなる。
文化スポーツ観光省文化遺産局によると、ユネスコにより世界遺産に登録されると、各遺産は観光や文化に関するサービスや商品を提供する物的資源として、その地域、ひいてはベトナム全体の社会・文化・経済発展に貢献することになる。