(C)VnExpress、フオンさん 写真の拡大 |
(C)VnExpress 写真の拡大 |
人もうらやむ外資系企業での高給を投げ打って、グエン・ジエウ・フオンさん(女性・33歳)は飲食業で起業した。彼女はモスクワ大学卒業後、ベトナムで世界的ブランド「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」に就職し、2008~2010年には月給2000USD(約21万2000円)を稼いでいた。しかし紅河デルタ地方ハイフォン市の男性と結婚し、ハイフォンの郷土料理を食べる機会を得て、起業の夢が芽生えたという。
「初めてハイフォンでバインダークア(Banh Da Cua、カニ出汁の米粉麺料理)を食べた時、強い印象を受けました。自分が生まれたハノイでこの特徴的な味を出せる店を見つけるのは難しいと思い、ハノイにハイフォン料理のレストランを開くことを思い付きました」とフオンさん。
夫にも自営業の経験はなくリスクはあったが、思い切って貯金を注ぎ込んで、最初の店「アンビエン(An Bien)」をチエウベトブオン通りに開店した。面積わずか40m2、メニューはバインダークアだけだった。
開業当時のフオンさんは、「将来どうなるか分からない」とまだ会社での仕事を続けていた。店の経営に集中できないため従業員の教育が疎かになり、客から多くのクレームが寄せられた。最初の1年は赤字続きで、やめてしまいたくなる時もあった。そんな時は「ハイフォン名物をハノイで広める」と自ら誓ったことを思い出した。