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[特集]

ハノイでハイフォン料理店を開いた女性、高給の外資系企業から転進

2016/07/24 06:38 JST更新

(C)VnExpress、フオンさん
(C)VnExpress、フオンさん
(C)VnExpress
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 人もうらやむ外資系企業での高給を投げ打って、グエン・ジエウ・フオンさん(女性・33歳)は飲食業で起業した。彼女はモスクワ大学卒業後、ベトナムで世界的ブランド「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」に就職し、2008~2010年には月給2000USD(約21万2000円)を稼いでいた。しかし紅河デルタ地方ハイフォン市の男性と結婚し、ハイフォンの郷土料理を食べる機会を得て、起業の夢が芽生えたという。  「初めてハイフォンでバインダークア(Banh Da Cua、カニ出汁の米粉麺料理)を食べた時、強い印象を受けました。自分が生まれたハノイでこの特徴的な味を出せる店を見つけるのは難しいと思い、ハノイにハイフォン料理のレストランを開くことを思い付きました」とフオンさん。  夫にも自営業の経験はなくリスクはあったが、思い切って貯金を注ぎ込んで、最初の店「アンビエン(An Bien)」をチエウベトブオン通りに開店した。面積わずか40m2、メニューはバインダークアだけだった。  開業当時のフオンさんは、「将来どうなるか分からない」とまだ会社での仕事を続けていた。店の経営に集中できないため従業員の教育が疎かになり、客から多くのクレームが寄せられた。最初の1年は赤字続きで、やめてしまいたくなる時もあった。そんな時は「ハイフォン名物をハノイで広める」と自ら誓ったことを思い出した。

 フオンさんは2011年に、会社を辞めて店の経営に全力を注ごうと決意した。まず食材は品質の良いものだけを仕入れるようにした。また、客がどんな料理を好み、どんなサービスを望んでいるのかをアンケート調査した。従業員はフオンさんが自ら教育し、やる気を起こさせる報奨制度も設けた。飲食業は元来従業員の出入りの激しい業界だが、アンビエンでは多くの従業員が定着している。  こうした改善策は客から歓迎され、売上高が急速に伸びていった。メニューもバインダークアのほか、ブンカー(Buc Ca、魚の米粉麺料理)やブントム(Bun Tom、エビの米粉麺料理)など種類が増え、デザートにはタックサイン(Thach Xanh、緑色のゼリー)が加わり人気を得ている。  フオンさんはハノイで8店舗を展開する計画だが、現在はホアンキエム区に3号店を出す準備をしているところだ。出資を申し出る投資家もいるが、ハイフォンの名物料理をハノイで広める夢を共有できる人にはまだ出会っていないという。  最後にフオンさんは、若者達にこうアドバイスした。「起業するなら27~35歳が理想的です。仕事の経験が5~10年になり、専門知識や仕事の技能、人脈も育っている頃で、極端な夢想はせずリスクテイクも恐れない年齢です。できれば1人ではなく、互いに補い合うことのできるパートナーがいた方がいいでしょう」。  

[VnExpress,10/6/2016 | 09:00 GMT+7,O]
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