(C)Tuoi tre,TR.N、ギア氏(右)とサッカーの王様ペレ 写真の拡大 |
しかしこの間、全て順調だったかというとそうではない。ギアさんは1992年に強盗に遭い、6発もの銃弾を浴びている。家の近くの公園を散歩していた時、強盗に手、首、胸、腹、頭部を撃たれたが、奇跡的に命を取りとめた。
さらに2011年9月には、6600平方メートルの製造工場が全焼し、原材料や引き渡すばかりになっていた商品も灰になってしまった。損害額は約500万ドル(約5億1000万円)だった。しかし一度死の淵から蘇ったことのあるギアさんは、今回もめげなかった。翌日には別の場所を借りていた。過去に資金面で支援したことのあるベトナム人が、今度は工場の再建資金を貸す側に回った。
こうしてゴーク社は復活した。今もゴムサンダルが主力商品で生産量の7割を占める。2割はリュックや財布、残りはスポーツシューズだ。消費者の好みを探るために、サンパウロ中心街に2軒の店舗を出店している。
ゴークブランドの環境にやさしいゴムサンダルは、この10年間に2000万足を売り上げた。ギアさんは「人生を閉じるまでに、1億足の売り上げ達成が夢」と語った。