(C)Nguoi lao dong、母トラ「ミー」と子トラ達 写真の拡大 |
ミーはこれまで何度も繁殖が試みられていたが、成功しなかった。飼育係と獣医が原因を話し合い、外部からの影響を強く受ける鉄の檻の環境が問題ではないかと仮説を立てた。透明板を使った檻の建設が認められ完成すると、さっそくミーとたくましいオスのトラが入れられた。すると2か月後に、ミーに妊娠の兆候が現れた。
すぐにミーのために特別体制が敷かれ、出産まで飼育係が交代で見守ることになった。出産予定日の4~5日前からは24時間体制で、カメラ画面を観察した。画面で見えない位置にいる時間が長いと、檻まで走って状態を確認した。
赤ちゃんが無事に生まれてもまだ気が抜けない。親トラはしばらくの間、誰も赤ちゃんに近づけない。1か月経てば子トラの成長度合いを検査できるようになるが、検査した後は子トラ自身の小便を体に塗りつけてから母トラの元に返す。そうしないと母トラが殺してしまう恐れがあるためだ。
猛獣飼育係員のティエンさんは、猛獣の飼育で重要なことは、注意深く一定の限度を保って接することだと話す。外部からのちょっとした刺激や影響で危険になり得る。「飼育係の我々でさえ檻の扉に近付くと、彼らは敏感に反応して体を起こします」